電子書籍の外側

電子書籍以外の事をつぶやきます。所属組織の見解ではないことはお約束です

アムタス『電子書籍売上100億円突破のプレスリリース』の裏側を読む

IT系の皆さんは電子書籍といえばKindleだと思います。

しかし、世間一般はめちゃコミックという電子書籍サイトが世間一般の認知ではないでしょうか?

世間一般の人がなぜめちゃコミックを認知しているか?というと、オリコンが発表した2015年お正月のCM回数を見れば一目瞭然です。


正月三が日のCM放送回数、1位は755好感度1位はau | ORICON STYLE

 

めちゃコミックは755の影に隠れつつも銘柄別3位のCM回数でした。

そんな中、めちゃコミックの運営元アムタスが2014年度の売上が100億円を突破したリリースを出しました。

電子書籍配信サービス「めちゃコミック」「ekubostore」の売上高が前期を上回るスピードで100億円を突破!!
~電子書籍配信サービストップクラスとしての地位を強固に~

 

このプレスリリースが発表される前にLINEが累計販売額をプレスリリースしています。


【LINE マンガ】国内最大規模のスマートフォン向け電子コミックサービス「LINE マンガ」、ダウンロード数1,000万件を達成 | LINE Corporation | ニュース

この中で、累計販売額が49億円と発表されています。サービス開始1年10ヶ月での49億円という事になります。

 

■2つのリリースの裏側を読む

 アムタスは10ヶ月で100億円突破ということで、月商は10億円を大きく超えている形になります。

事実2014年7月に月商10億円を突破したリリースを出しています。

電子書籍配信サービス「めちゃコミック」「ekubostore」の月間売上が過去最高の10億円を突破!!

 一方LINEマンガの方は1年10ヶ月で49億円なので、月商2.2億円~3億円と推測されます。

 

現在、電子書籍サービスで売上やDL数を公表しているところが少なく、今回アムタスが年間100億円を早々に突破してきたとプレスリリースを出してきたということは、国内で100億円を突破している電子書籍サービスが無いのでは?ということの裏返しと推測しています。

実際に、電子書籍の取次会社や出版関係者から聞いた話によると、有名な電子書籍サービスでも月商10億に到達できるサービスはめちゃコミックを除くとKindleという答えが帰ってきています。

今後、電子書籍は特にコミックに関して言えば、めちゃコミック系の旧来のガラケーの流れを組むグループとKindleのような圧倒的総合書店に分かれていくと予想できます。

旧来のガラケーの流れを組む電子書籍サービスは

  • キャリア決済でクレジットカード不要で会員登録もキャリアのパスワードだけ
  • 月々の携帯電話利用料と一緒に支払える
  • 1話30円から手軽に読める

といった、購入障壁の低さを武器に伸びていくと思います。

また、以前にもAll Aboutの記事でも書きましたが、購入障壁の低さだけでない他の理由でも、旧来のガラケーの流れで伸びていくと思います。


地球書店終了、電書サービス負の連鎖はいつまで続く? [電子書籍] All About

 

 

そして、電子書籍コミック市場が600億円という調査結果を元に色々なメディアが特集をしています。


NewsPicks - IT企業と出版社が火花。マンガアプリを制するのは誰だ

 しかし、600億円のうち、120億円以上がめちゃコミックという状況。

ガラケー時代のサービスが軒並み復活してきている状況を見ていると、2010年世界最大の電子書籍市場だった日本の電子書籍はどういうコンテンツでその市場規模を作ったのか?というところをトレースすると色々見えてくるかもしれません。

 いかがでしたか?

Kindle以外の電子書籍サービスで、めちゃコミックの存在感は侮れないです。早くめちゃコミック以外のサービスが100億円突破というニュースが出るのを待っています。

多分そのニュースはユーザーからコンテンツに対してお金を払ってもらうモデルではない新しいモデル(体力課金だったり、広告モデルだったり)から出てくるのではないか?と期待をして、私個人はcomicoを押してます。