中学受験終了。6年間の思い出を1ヶ月半に凝縮する子供たち
今年の中学受験シーズンが終わりました。たまたま文京区在住の小学6年生に話を聞くことが出来たので、文京区の置かれている状況とそこでの子供たちの本音を聞いてみた。
■「受験終わったら教森に即集な」
文京区は、公立小の6年生の卒業数と公立中の1年生の入学数がちょうど半分に減る事で有名です。つまり文京区公立小を卒業した小学生の半分は文京区立中以外に進学するということです。
そんな、文京区の公立小学生は1年から3年生は学童(育成室)や習い事など、4年生から6年生は塾や習い事で、なかなか仲の良い友達と放課後予定を合わせて遊ぶことが出来なかったりします。
学校から帰ってきてランドセルを玄関の前に放り投げて遊びに行き、暗くなるまで泥だらけで遊ぶということがあまりないとのこと。
そんな、子供たちが言っていた言葉が
「受験終わったら教森に即集な!」
という言葉です。
つまり、中学受験が終わったら、教森※に学校が終わったら即集合して遊ぶということのようです。
今まで、習い事や学童、塾などで仲の良い子と遊ぶ機会がなかった子供たちが、受かっても、落ちても、受験しなくても、やっとみんなで遊べる様になるのが6年生の2月中旬から卒業までの約1ヶ月半なのです。
※元東京教育大(現筑波大)の跡地に有る「教育の森公園」のこと。教育の森周辺の小学校の子供たちはそのように呼ぶらしい
■何が正解かはわからないけど
以前、御三家女子校に通う高校生に話を聞いたことが有ります。
「幼稚園からずっと放課後は塾や習い事で(小学生時代)学校の友だちと遊んだこと無いけど、塾や習い事はそれはそれで面白かったから、放課後友達と遊びに行くことが(教育者や親が思うような)幸せとは限らないんじゃない?」
彼女が言うように、子供自身がどう感じているか?どう思っているか?をもっと大人たちが注意深く見守る必要があるのではないでしょうか?
幼稚園お受験、小学校お受験、中学受験は親の価値観をある程度、子供に押し付ける危険性があり、親は子供をよく見ているとはいえ、本心として親に打ち明けているかどうか?よく考える必要があると思います。
今回、たまたま、話を聞けた文京区の小学生の「受験終わったら即教森な」という言葉は、本当は今までみんなと遊びたかったけど、塾や習い事等でなかなかみんなの予定が合わせられなかった裏返しを素直に表した発言なのではないでしょうか?
卒業式までの残された時間、みんなバラバラな中学校に進学する※、そんな小学校時代の最後の思い出づくりになるかもしれない時間を精一杯楽しんでいるのではないでしょうか?
※文京区の区立中学校は学校選択制をとっており、区立中学に進学する際も小学校卒業後バラバラになる
中学受験が主テーマではないですが、幼稚園お受験、小学校お受験、中学受験を考える上での一冊